「IoTに使われるセンサーには、どんな種類があるのだろう」「そもそもIoTに使われるセンサーってどんなものがあるのだろう」と考えていませんか?
IoTは、私たちの身の回りのあらゆる情報を収集することができます。そしてそのデータ収集にはセンサーが重要な役割を果たしているのです。
とはいえ、センサーは普段目にすることがほとんどないため、どういった種類があるのかなどイメージしづらいでしょう。
この記事では、IoTとセンサーの関係がよく理解できないという方に向けて、以下の内容を解説します。
・センサーとは何か
・IoTに用いられるセンサーの種類
・IoTセンサーの活用分野
・センサーの役割の変化
この記事を読んで、IoTとセンサーの関係について理解しましょう。
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センサーとは何か?

まずはIoTに活用されている「センサー」について、その概要を理解しましょう。
センサーとは物理現象や、対象物の状態を、電気信号に変換する装置です。IoTデバイスにおける「知覚」の役割を担います。
例えば、室内を対象としたIoTデバイスの場合、室内の温度や湿度、空気の汚れなどをセンサーが知覚し、情報を収集します。そして、そのデータに基づいた表示や動作を行います。端的にいうなら、人の五感にあたる感覚や、自然現象などをデータ化する仕組みです。
センサーはすでに様々な産業分野で活用されており、スマートフォンや家電など、生活に欠かせないものにもセンサーは搭載されています。
そんな中でも、特にIoTではセンサーの存在が欠かせません。IoTデバイスを開発する際には、無数にあるセンサーの中からもっとも適したものを選定しなければなりません。IoTの分野に参入しようと考えている人や企業は、センサーについての知識はなくてはならないものであると言えるでしょう。
また、センサーは光や温度などの人間の知覚や、物理現象だけでなく、溶液の組成などの化学物質を検知するセンサーも存在します。セ
センサーの分類

センサーは主に「パッシブ型」と「アクティブ型」に分けられます。パッシブ型は、物体の発する光や熱を検知するというものです。後述する光センサーや温度センサーなどが該当します。
一方、アクティブ型は、センサーから発する光が対象物に当たり、跳ね返ってくるまでにかかった時間から距離などを算出するというもの。距離センサーや超音波センサーなどの種類があります。
IoTに含まれるセンサーの種類G
GPS
GPSは「Global Positioning System」の頭文字を取ったもので、衛星測位システムを意味します。スマートフォンの地図アプリなどで活用されているため、非常に身近なセンサーと言えるのではないでしょうか。複数の人工衛星からの距離によって、センサーの位置情報を取得するという技術です。
地図アプリやカーナビなどの他にも、船や航空機の管理や、科学分野での利用もされています。GPSはもともと軍事目的で構築された技術ですが、今や生活に欠かせないものとなりました。
加速度センサー
加速度センサーとは、1秒あたりの速度変化、すなわち加速度を測定するセンサーです。人や物体の動きや、振動などを検知します。最新の技術では、X軸・Y軸・Z軸の三方向に適応することができ、カメラの手ぶれ補正などに応用されます。
近年のスマートフォンには、傾けると画面が点灯するなどの機能がありますが、この昨日も加速度センサーによって実現するものです。またGPSなど、様々な種類のセンサーとも掛け合わせて活用することができます。
任天堂の「Wiiリモコン」などは、加速度センサーをエンタメ領域に活用した例です。3方向の動きを検知するため、人間のあらゆる動きが認識可能となり、テニスのラケットを振る動作や、ゴルフの素振りなどを画面上にトレースすることができるのです。
ジャイロセンサー
ジャイロセンサーは、物体の角度が時間あたりどれだけ変化しているか、すなわち物体が回転している速度を測るセンサーです。
従来は船や航空機、ロケットの制御に使われていたセンサーですが、近年は家電などでもよく用いられるようになっています。
光センサー
光センサーは、光の強さや断続を検知するセンサーです。目に見える光だけでなく、赤外線や紫外線など目には見えない光も検知する高度なセンサーも開発されています。
光センサーは、人が視覚的に捉える情報を取得することができます。人の目に近い活用方法としては、CCDカメラなど。また実用的な例では、防犯目的で使用される「人感センサー」などが挙げられます。また、蛇口に手をかざすと水が流れる、自動ドアなど、私たちの生活において当たり前のものとして存在します。
画像センサー
画像センサーは、光の強弱を読み取るセンサーの集合体です。レンズから入ってきた光を電気信号に変換する役割を持ち、一眼レフカメラなどは大きな画像センサーが搭載されています。イメージセンサーと呼ばれることもあるようです。
他にも、温度・湿度・圧力・地磁気・距離など様々なセンサーがあります。
IoTセンサーの活用分野

ヘルスケア
ヘルスケア分野では、端末に搭載されたセンサーからバイタルデータを取得するという活用がされています。ウェアラブル端末にセンサーを搭載することで、リアルタイムで体温や活動データを集めることができます。近年話題を集めているApple Watchでも、新たに心拍数を測定する機能が搭載されました。
これらのデータはインターネットを経由してクラウドに保存され、スマートフォンなどから確認できたり、医療分野との連携により、医療従事者が患者の状態を確認するなどの試みもあるようです。
農業
農業分野でも、IoTの活用が大きな注目を集めています。農業は、非常に重労働であるため、担い手不足などの問題を抱えています。また、農業は経験や勘に頼らざるを得ない部分も多く、高齢化も懸念されています。
農業分野では、センサーを活用した農地の監視、効率化への取り組みが行われています。農地やビニールハウス内の湿度や日射量、周囲の気象データを蓄積し、解析することで、農作物の効率的な管理や収穫が可能になります。またこれまで経験や勘に頼ってきた部分を、データ分析によって、再現性を持って実行することができるようになります。
これまで人の手で行ってきた農地監視などを自動化できるので、人手不足問題の解決にも有効であると考えられています。
製造
製造業の分野では、生産ラインの機器をセンサーで監視、情報収拾を行うことができます。情報を一元管理できるので、もし生産ラインに異常が発生した場合にも、即座に対応可能です。機械の稼働データを見える化することで、生産ラインの管理を楽に行うことができるようになるでしょう。
物流
物流の分野では、輸送物の位置情報を取得したり、温度を適切に管理する目的で、センサーが活用されています。運搬中の品質を保証、紛失や盗難の防止にもつながります。また収集したデータをもとに、生産から物流、販売までの流れを見える化し、さらなる効率化の実現にも期待できます。
センサーの役割の変化
これまで、センサーは家電や工場の機能を補完、拡張する部品という扱いでした。あくまで部品の一つであり、それほど重要視されていない存在だったのです。
ですがIoTデバイスが様々な分野で活用される、いわば「IoT時代」の到来により、データと、そのデータを集める部品であるセンサーの重要性は高くなりました。これまでの技術では処理が不可能なほど大量で、様々な形式のデータを「ビッグデータ」と呼びます。ビッグデータをAIなどで分析することで、ユーザーの行動などを予測したり、ビジネスに役立つ知見を導き出すことができるのです。
AIや機械学習、ディープラーニングなどの技術の発展に伴い、データには大きな価値があると言われるようになったのです。その結果として、データ収集の基盤となるセンサーに注目が集まるようになりました。
センサーはこれからの時代ますます活躍する!
この記事では、以下の内容について解説しました。
・センサーとは何か
・IoTに用いられるセンサーの種類
・IoTセンサーの活用分野
・センサーの役割の変化
センサーはIoTデバイスに欠かせない存在であり、ビッグデータがビジネスに用いられる「IoT時代」において重要な役割を果たすものです。センサーが取得したデータが、私たちの生活をより豊かにしてくれる時代が、目の前までやってきていると言えるのではないでしょうか。
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