サウスピークへ留学後、カナダのトロントで4ヶ月間ワーキングホリデー(以下、ワーホリ)を行い、TESOL・児童英語教授法をマスターするため学校に通われたEmiriさんへお話を聞きました。
※Emiriさんのサウスピーク留学中体験談はこちらです。
【TOEIC400→875】YesとNoしか言えなかったEmiriさん。会話力向上の秘訣は7時間の音読学習!?
【記事のポイント】
・TOEIC400→875
・現地の学校でTESOL
・児童英語教授法を学ぶ
・イタリアンバーで仕事
Emiriさんのワーホリ・転職スケジュール
- 2017年5月〜10月
- サウスピークへ26週間留学 TOEIC400→帰国後875 475点UP
- 10月〜12月
- 日本へ帰国
- TOEIC受験やサウスピークで出会った友人と再会
- 12月〜翌年3月
- カナダのトロントでワーキングホリデー
- TESOL・児童英語教授法を学ぶための語学学校へ。
- イタリアンバーでアルバイト
- 3月下旬
- 日本へ帰国し転職活動
- 5月
- 外資系医療機器メーカーへ内定をもらい入社
海外生活への憧れと、20代の特権を満喫したいとの思いでカナダワーホリへ踏み切った
―――Emiriさんがワーホリへ行こうと思った理由を教えてください。
以前から留学や英語を話せることに憧れていたからです。以前放射線技師として病院で働いていたときに、海外に滞在するには「ワーホリ」という方法があることを知りました。ワーホリは20代限定ですし、仕事も勉強もできて自由がきくビザだと思い挑戦してみることにしました。
―――渡航先にカナダを選んだのはなぜですか?
はじめは、オーストラリアとカナダで迷いました。ビザの料金はカナダのほうが安いですし、個人的にオーストラリアは遊んでしまうイメージがあったので落ち着いて勉強できそうなカナダを選びました。
※2018年度7月現在のワーホリビザ料金は、オーストラリアでは450AUSドル(約36,000円)、カナダは250CADドル(約21,000円)となっています。
オーストラリアでは毎年7月に料金改訂がされるようです。
カナダではTESOLや児童英語教授法を取得

クラスメイトが英語の先生になりきり授業をしている様子
―――Emiriさんはもともと病院で医療職をされていたのですよね。医療の資格とTESOLのような「英語を教える」という教授法は直接関係のないように思えるのですが、それらを学ぼうと思われた経緯を教えてください。
英語を人に「教える」ことで自分の勉強にもなると考えたからです。また、将来子供ができたときにそのスキルを活用することもできますし、ホームティーチャーなどで英語を教える道もあると思ったので学習することにしました。
カナダで医療英語コースに通うことも選択肢にありましたが医療英単語は自分で覚えればマスターできるのではないかとも考え、Diploma(専門士)をいただける学校を選びました。
※TESOLとは、英語以外の言語を母国語とする人々に英語を教えるための教授法のことです。詳しくは、TESOLとはどのようなプログラムなのか?をご覧ください。
―――学校に入学するにあたり、試験などはありましたか?
私の通った学校では、TOEIC750点、IELTS5.5、TOEFL iBT 93、学校独自の試験の正答率75%以上などの条件を1つ満たすことが入学の条件でした。私はサウスピーク留学後にTOEICで875点取得していたので入学できました。
―――授業はどのような内容でしたか?
普段の授業は先生が教科書を読みながら進めていくスタイルでした。カナダ人講師の話す英語はスピードが速かったです。はじめはICレコーダーで録音していたのですがそれを注意されてからは集中力を保ちながら聞くのに必死でした。
ネイティブスピードの英語を聴くのは大変でしたが「これでTOEICのリスニングスコアも伸びているんだ」とポジティブに考え乗り切りました。
他には、毎週自分が先生になりきって周りの生徒に英語を教えるプレゼンテーションも勉強になりました。
―――毎日どのくらい学習していたのですか?
1日の予習復習時間は4時間くらいでした。宿題として、毎日40ページほどの教科書の英文を読み、問題を解いていました。他には、毎週行われるテストの勉強やプレゼンのパワーポイント作りがありました。
講師から、学校では分からない単語は自分で調べるのでなく、翌日の授業で質問して英語で意味を聞くようにと言われていました。電子辞書を使えばすぐ調べられるのですが、講師から意味を教えてもらうことによって英語を英語で学ぶスタイルが確立されたと思います。

在学中、一緒に勉強を頑張ったクラスメイト
―――とても忙しそうですね。クラスメイトはどのような方たちでしたか?
日本人2~3人と韓国人、ブラジル人など全部で10人くらいでした。
―――異なる国籍の方と授業を受けることで、文化の違いなど感じたことはありましたか?
日本人の特徴について考える機会を持つことができました。ブラジル人はグループワークのときに仕切ってくれる責任感があり、自分の考えをしっかり主張するという風潮がありました。逆に日本人は自分の意見が言えません。ブラジル人たちと一緒に授業を受けることで「自分の意見を発言しないとダメなんだ」と思い、言葉にできるようになりました。帰国してからも仕事中に「質問はありますか?」など聞かれたときは自分から手を挙げるようにしています。
サウスピークで取り組んだリスニングや音読の成果は、カナダでワーホリ中でもしっかり通用した

サウスピーク留学中の仲間とカードゲームをしている様子。ゲーム中ももちろん英語を話していました
―――サウスピークで学んだことのうち、カナダで学校で通う際に役立ったことはありましたか?
リスニングと音読を頑張ってよかったと感じました。
サウスピークへ留学した当初は、フィリピン人講師の初心者向けのゆっくりした英語でさえ分からない状態でした。しかし、音読や日々のレッスンを続けたおかげで多少速い英語も聞き取れるようになりました。カナダでは、講師も、クラスメイトも英語を話すスピードが速かったですが、それを理解できるようになったのはサウスピークで半年間頑張ったおかげだと思います。
サウスピークの授業で力になったと思うのは4Sの授業です。学んだ英単語をもとに英作文を作ったり英語を話したりする中で、新しく学んだ英語表現を活用する力が身につきました。授業の効果を最大限に活かしたいなら、いい意味で講師を使う(1人で勉強して分からなかったところをどんどん質問する)ことが大切ですね。
※サウスピークの4Sレッスンについては、スピーキング力もリスニング力も、全部向上させる!? サウスピークの名物授業「4Sレッスン」に潜入してみた。をご参照ください。
―――サウスピークではオリジナル校とEOP校(日本語禁止校)へ留学されたのですよね?2つの校舎の違いはどのようなところでしたか?
私は半年の留学のうち、2ヶ月をオリジナル校、4ヶ月をEOP校で過ごしました。オリジナル校は学生同士で固まっていることも多かったですが、EOP校はグループで過ごすというよりは個人の仲が良かったです。経験豊富な社会人と出会え、英語で恋愛や将来についての悩み相談をできたのが新鮮な体験でした。
EOP校ですでに自分の意思を英語で伝える練習をしていたので、カナダの英語しか通じない環境でも問題なく過ごすことができました。
※サウスピークEOP校については、TOEIC600点以上の生徒のみ入学可能なサウスピーク日本語禁止校を開校しました。をご参照ください。
―――サウスピークで出会った友人とは今も連絡をとっていますか?

同時期に留学されていたAikoさんが卒業したときの記念写真
半年留学していると、仲のよかった友人が先に卒業してしまい寂しい思いをすることもありました。その中で私と同じ時期に半年間留学していたAikoさんは同じ医療職者ということもあり今でも連絡を取っています。彼女は今カナダのバンクーバーで看護師の資格を取るための学校に通っているそうです。毎週テストがあって大変そうですが、ときどき英語で電話をしています。
※Emiriさんと同時期に留学していたAikoさんの留学体験談はこちらです。
「人前で堂々と英語を話せる!」フィリピン留学のマンツーマンレッスンで、カナダ留学へ向けたIELTS対策と論理的な話し方を身に着けたAikoさん。
忙しい授業をこなしながらイタリアンバーでのアルバイトもしていた

中世ヨーロッパの雰囲気が感じられる巨大な城、casa loma。トロントで有名な観光スポット
―――学校へ通っている期間、お仕事はされていたのですか?
イタリアンバーでアルバイトをしていました。
当初はイタリアの料理のメニューが全く分からなかったので覚えるのが大変でしたが、気さくなお客さんたちと英語で話すのが楽しかったです。
―――お給料はどのくらいでしたか?
日本円に換算すると時給2,000円+チップをいただいていました。トロントの最低賃金である1,400円より多かったです。おかげで現地の人と同じような条件でしっかり働き、旅行代を貯金することができました。
バイトの終了時間は毎日夜の1時、2時でした。次の日5時に起きなければならないので大変でしたが「学校に通う2ヶ月間だけ頑張ればいいんだ!」と自分に言い聞かせてハードな生活を送っていました。
―――かなり忙しそうですね。当時のスケジュールを教えてください。
学校とバイトを両立していたときのスケジュールはこちらです。
5:00 起床 単語の勉強や予習
8:30-15:00 学校
16:00-18:00 スポーツジム、シャワー
18:00-20:00 学校の課題
21:00-1:00 アルバイト、帰宅後就寝
私は暇な時間を作ることが好きではありません。ですから、友達と食事に行った後の隙間時間でジムへ行くなど少しでも時間があるときは自分の身になることをするようにしていました。

はじめはシャワーを浴びるためにスポーツジムに通っていたが、いつのまにか体を動かすこと自体が習慣になった
―――カナダでの生活の中で、日本に帰国してからの私生活に活かせていることはありますか?
カナダでスポーツジムに通う習慣ができたことで、現在もジムには通っています。また、英語力を維持するために朝の7:30からオンライン英会話をしています。毎日自分が決めた時間に、決めたことを行うルーティーンがとても大切だと実感しています。
カナダで大きな卓球の大会へ出場

Emiriさんに卓球を教えてくれたコーチと、プレイヤーの様子
―――仕事や学校以外で印象に残っていることはどのようなことですか?
卓球の大会に出場したことです。私は学生の頃、卓球で全国大会に出場したことがあるくらい卓球が好きなので、カナダでもできないかと思っていたところチャンスを得ることができました。
―――海外でスポーツの大会に出るのは簡単ではないと思うのですが、どのような経緯で出場に至ったのですか?
まずは卓球をしている体育館に1人で足を運び、現地の人に話しかけました。そこで出会った方との繋がりで、オリンピックへ出場された石川佳純選手への指導経験もあるナショナルコーチと知り合うことができました。その方に卓球を教えてもらい、大会へ出場することになりました。1回目に出場したときは準優勝で悔しい思いをしましたが、練習してもう1度チャレンジしたら2回目では優勝できました。
1人で体育館に行かなかったらこの出来事はなかったと思いますので、自分から行動してよかったです。
ーーー貴重な経験をされたのですね。今後、日本でも卓球をされる予定がありますか?
最近、東京で国際卓球クラブを作るための活動をはじめました。ワーホリ中に培った英語力とカナダの卓球大会に出場した経験を生かし、日本にいらっしゃる卓球好きな外国人と英語で卓球をしながら楽しめる場を作りたいです。
「ワーホリした後にやりたいこと」より「ワーホリ中にやりたいこと」を考えて渡航するのがオススメ

ブラジル人の友人とクリスマスマーケットに行ったときの様子
―――最後に、ワーホリに挑戦したい方へのメッセージをお願いします。
ワーホリした方がよく言うのが「ワーホリをした後のことを考えて計画を立てた方がよい」ということです。しかし私は、ワーホリ中にやりたいことを考えることのほうが大切だと思います。
私は、人生はノートのようなものだと思っています。未来はノートのように真っ白で先が見えませんし、その時に何に挑戦するかによって変わっていきます。充実したワーホリ生活を送りたいなら、まずはワーホリ中にできることをなるべくたくさん挙げ、それをこなしていくことでよい将来が見えてくると考えています。
充実したワーホリ生活を送るために大切なことは、英語力を伸ばすことです。そのためにできる行動はたくさんあります。例えば、学校に通う、アルバイトをする、現地の方とスポーツをするなどです。英語力向上のためには自分が決めた勉強を毎日行い、それを継続しながら自分が好きなことに挑戦するのが1番の近道だと思っています。
新しいことに挑戦するのは難しいですが、自分で踏み出さないとできないままになってしまいます。ワーホリに行きたいと考えている方にはぜひ行動を起こしてほしいですね。
Emiriさんのワーホリ期間は普通よりも短めの4ヶ月だったそうですが、その中で自分から行動を起こし時間の無駄がないように充実した毎日を送っていたということでした。次の記事では、Emiriさんがサウスピークやワーホリ経験を経て医療機器メーカーへ転職に至るまでの話をお伝えします。