近年、多くの大学の編入学試験や大学院入学試験(院試)においてTOEIC試験が利用されています。また編入学試験や院試に限らず、大学入試や大学在学中の単位認定にもTOEIC 試験が広く利用されており、一定のTOEICスコアを保持しているメリットが大きくなっています。
この記事では大学入試・編入学試験・院試のTOEIC利用についてまとめ、TOEIC L&R試験の入門編であるTOEIC Bridge試験についてもご紹介します。
【この記事の目次】
1.大学編入試験・大学院入学試験とTOEIC L&R|編入学試験と院試
2.大学入試とTOEIC L&R
3.TOEIC Bridge試験150点を目指す|TOEIC L&Rの入門編
大学編入試験・大学院入学試験とTOEIC L&R|編入学試験と院試
編入学試験は多くの大学・学部で行われており、他大学等への編入を志望する学生が多く受験しています。大学から大学へというケースだけでなく、高等専門学校から大学へという編入も多く見られます。
参考:大学への編入学状況(平成26年度本科卒業者)|独立行政法人 国立高等専門学校機構
その編入学試験において、スコアシート(公式認定証)を提出することで英語試験受験が免除されたり、提出書類としてスコアシートが指定されていたりとTOEIC試験が広く利用されています。つまりTOEIC スコアが高ければ、編入学試験を有利に進めることができるのです。
◆編入学試験でTOEIC試験対策が不可欠な理由|大学編入とTOEIC スコア
そして院試では一般的に、専門科目・外国語の試験、書類審査、面接の3つが課されることが多く、外国語(英語)試験の代わりにTOEICスコアの提出を求める大学院が近年増加しています。
定められたTOEICスコアを取得していると英語の試験が免除される場合や、書類審査でTOEIC LR試験のスコアシート(公式認定証)の提出が求められる場合もあります。
それぞれの大学院によって活用形態は違えど、一定以上のTOEIC スコアを持っていると大学院入試でメリットとなることが多いのです。
◆大学院入試でTOEIC試験対策が不可欠な理由|院試とTOEIC
もちろん、編入学試験や大学院入学試験の学科試験で、英語(外国語)試験だけが課せられるわけではありません。専門科目の試験も課せられます。ですが、英語(外国語)試験やTOEICスコアが占める割合は非常に大きいのです。
大学一般入試の場合、センター試験の結果(最大8科目)と2次試験の結果を合わせて合否判定されることが多いですが、院試では科目数が少ないため、外国語試験を「捨てる」ことは現実的ではありません。
科目数が少ない分、1科目でついた差が合否にそのまま響いてしまいます。専門科目だけでなく全科目しっかりと対策することが大切です。
大学や大学院で研究をしていく上で、英語の論文や学術誌などが読めることは大きなメリットです。入試に際しても研究をしていく上でも、英語力UP・TOEIC スコアUPは必須です。また、卒業後の就職活動や転職においても、TOEIC スコアや英語力は自己実現やスキルアップをバックアップしてくれるでしょう。
大学入試とTOEIC L&R
また編入学試験・院試だけでなく、大学入試でもTOEICを始めとする英語の外部試験が広く活用されています。高校生のうちから英語学習に力を入れ、TOEICスコアを保持しておくと進路開拓のチャンスがぐんと広がるのです。
TOEIC L&R試験スコアを入学試験に活用している国公立の大学・短大・高専は133校で、TOEIC L&R試験スコアを入学試験に活用している私立の大学・短大・高専は404校です。
特に私立大学においては受験の際にセンター試験を必要とせず、受験科目自体も少ない場合が多いので、国立大学に比べて英語力の有無がより直接的に入試での合否へと結びつきます。そのため、より高い英語力が求められると考えてよいでしょう。
その点も加味して考えると、入試を有利に進めるためにはTOEIC700点以上、できれば800点以上が欲しいところです。
◆TOEIC800点を徹底分析(勉強法・体験談あり)|TOEIC800点の英語レベルとは?
加えて、一定以上のTOEIC L&Rスコアがあれば単位認定をする大学も増えています。TOEIC 試験を運営する一般財団法人国際コミュニケーションズ協会(IIBC)のデータによれば、TOEIC L&R試験スコアを単位認定の要件としている国公立の大学・短大・高専は143校、TOEIC L&R試験スコアを単位認定の要件としている私立の大学・短大・高専は309校あります。
また、留学の認定要件にTOEICスコアが利用されていることも多く、大学入学前に一定のTOEICスコアを保持しておくメリットはとても大きいのです。
英語力をある程度向上させるには、まとまった時間と努力を要します。いずれ英語学習を始めるつもり、あるいはTOEIC試験を受けるつもりなのであれば、高校生のうちに対策学習を始めておくのがおすすめです。
TOEIC Bridge試験150点を目指す|TOEIC L&Rの入門編
また、いきなりTOEIC試験を受けるのは不安だという場合や、TOEIC L&R試験の参考書が難しく歯が立たないという方にはTOEIC Bridge試験をおすすめします。
TOEIC Bridgeは、いわばTOEIC L&R試験の簡易版の試験。年間約18万人から20万人程度が受講している試験です(2017年度の受験者数は18万4000人)。TOEIC試験と比較するとより日常的な話題が中心となっていて、問題数や受験時間が短い初心者向けの内容の試験といえます。
TOEIC Bridge | TOEIC L&R | |
受験対象者 | 英語力が中学生レベルから高校生レベル向けの試験。いわゆる初心者向け | 高校生以上の英語力がある方向けの試験。ビジネス用語が多く、ビジネスで英語を使う人を想定している |
点数 | リスニング: 10-90 リーディング:10-90 合計:20-180 *スコアは2点刻み |
リスニング: 5-495 リーディング:5-495 合計:10-990 *スコアは5点刻み |
問題数とテスト時間 | 100問で60分間 (TOEIC L&Rの半分) |
200問で120分 |
受験料 | 4,320円 | 5,725円 |
中学・高校レベルの英語学習を行なっている段階ではTOEIC L&R試験は難易度が高すぎるため、ぜひTOEIC Bridege試験を受けてみてください。TOEICプログラムを開発するETSもTOEIC Bridgeが150点以上取れた場合、TOEIC LRを受験することを推奨しています。
TOEIC Bridge試験については、この記事をチェックしてみてください。おすすめの参考書も紹介しています。
◆TOEIC Bridge(トーイックブリッジ)試験とは。TOEIC BridgeとTOEIC試験の換算表付き
そんなTOEIC Bridge試験ですが、あくまで中学生と高校生の範囲の学習をしている初心者向けのテスト。進学や就職でTOEIC スコアを強みとしたいなら、TOEIC L&Rのスコアが必要です。Bridge試験対策を通じて中学・高校レベルの英語力がある程度身についたらTOEIC L&R対策に移行しましょう。
TOEIC試験は合格・不合格のテストではなく、スコアという形で結果が出るテストです。残念ながら目標スコアに到達しなかったとしても、不合格とはなりません。スコアが残るので英語力の証明として活用できますから、臆せず挑戦してみることをおすすめします。
TOEIC 試験を受験して一定以上のスコアを保持すれば、後々様々な場面で役立ちます。ぜひ計画的にTOEIC 試験対策を始めてみてください。
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