2016年4月2日〜9日までの東京と大阪で発音矯正の体験レッスンを担当する、日本人1,000人以上のカタカナ英語を直した発音矯正のプロ、シャーメイン講師。今回は、シャーメイン講師の発音矯正方法を具体的に伺いました。
現役生徒の感想
まずはじめに、シャーメイン講師の発音矯正レッスンを受講した現役生徒、Takeruさんにご感想をいただきました。上記動画をご覧ください。
シャーメイン講師の発音矯正方法
ーーシャーメイン講師は、具体的にはどのように日本人生徒の発音を矯正されるのですか。
1.口内図を描き、正しい発音をしているときの舌の位置、口の形を知ってもらう
↑「L」と「R」を正しく発音しているときに、口の中がどうなっているかの図。サウスピークではこの図を口内図と呼んでいます。「clean」「rough」とあるのは、舌の位置によって音質も変わるという説明。
まずは大きめの付箋に口内図を描きます。これは口の中で舌がどの位置にある場合に正しい音が出せるのか、という図です。
日本人が日本語を話すときに、舌の位置など意識したことはないはずです。声は非常に物理的に発せられるものなので、一番コントロールしやすい舌を意識することは、特に第二言語として英語を話す人にとって有用なんですよね。授業中に、口内図を手書きで書いて見せると、日本人生徒の理解が深まりやすいです。
2.正しい発音と誤っている発音の音質の違いを知ってもらう
口内図を描いてもイメージが出来ない場合も多々あります。そんなときは実際に生徒が発している音を聞き、その後に正解の音と誤りの音を聞いてもらうようにしています。
例えば、LとRでは舌の位置が違うので、Lの方が喉から綺麗な音が出ますし、Rの方は少し粗い音になります。音から、正しい舌の位置を実現できているかどうかを判断するんですね。これもひとつの有効な方法です。
3.母音を発音してもらい、その後に苦手な発音をしてもらう(分解する)
「ra」のような母音と一緒に発音するときに、困難を感じられる生徒もいらっしゃいます。これは大抵、未だ舌が動きに慣れていないことが原因であることが多いです。ですので、まず最初にその発音と母音を分けて発音する練習をします。
例えば、「ra」の発音が困難であれば、「r」「a」と分解して発音してもらいます。「r」も「a」も舌の位置が違うということは、舌の位置を移動させなければいけません。その感覚を持って貰うためにこの練習を行います。
4.母音と苦手な発音をゆっくりつなげて発音してもらう(結合する)
その後、続けて発音してもらいます。その頃には、舌がその動きをすることに慣れてきているので、うまく発音できるようになっています。
また、rの音でいうならば、英単語の末尾にある「r」を発音することも、苦手な方が多いです。例えば、「Communicator」という単語の末尾の「r」などです。日本人生徒が正しく発音しているつもりでも、音として聴いてみると、発音できていない場合が多いんですよね。
その場合も、同じように、(3)のように一度音を分解してから発音の練習をして頂き、最後に結合させて練習します。
5.苦手な発音に似通っている日本語を利用して、理解を促す
また、例えばアメリカ英語において「year」と「ear」は明確に違う発音なのですが、この違いが最初からわかる日本人英語学習者はほとんどいません。なぜなら、日本語にその区別は存在しないからです。「year」の発音は日本語で言うなら「ユイ」に似ています。このように、発音が近い日本語を提示すると想像しやすくなります。
ーー通常の矯正方法から、どうしても苦手な音の矯正方法まで教えて頂き、ありがとうございました。日本でもこのノウハウを持って、皆さんの発音をどんどん矯正してあげてください!