この記事は「交換留学の選抜試験が迫ってる!どうしよう!」という方や「来年以降に選抜試験を受けたいと思ってるけれど、何を知っておけばいいか分からない!」という方に向けて書きました。
そもそも交換留学生として選ばれるためには、在籍する大学が実施する「選抜試験」に合格する必要があります。
(留学を考え始めたばかりの方は、まずこちらの記事をお読みください。交換留学についての概要が分かります。
⇒TOEIC400点の普通の大学生が、最低限の費用で、TOEIC900点以上の英語力を獲得して交換留学に行くための方法まとめ)
大学側が求める「英語試験の点数やGPAの基準」を満たし、選抜試験を受け、合格することでようやく「交換留学」という夢を叶えられるのです。
「英語試験やGPAの基準を超えていてもそこで終わりではない。選抜試験の1次試験や2次試験を突破する必要がある」ということに注意しなくてはいけません。

そこでこの記事では「選抜試験で合格を勝ち取るためのコツ」を、北米の州立大学へ1年間交換留学をした筆者の経験を元にまとめています。
あなたが交換留学生として見事選ばれるお手伝いができたら幸せです。
この記事を読んで、交換留学生として選ばれ、留学をする未来を勝ち取りましょう!
(注)私が在籍している大学の試験方法に基づいて書いています。
大学によって「選抜試験の日程・内容・必要書類」が異なることをご了承ください。
交換留学選考試験の日程
まず「交換留学の選考試験がどのように行われるのか」を、時系列で説明します。
<交換留学選抜試験の日程>
10月25日(木) 出願締め切り11月1日(木) 1次試験(英語能力試験)
*11月2日(金) 1次試験(英語圏以外に留学する場合、その地域の言語の試験)11月9日(金) 1次試験合格者発表
11月14日(水) 2次試験(面接)
(出典:大学提供の資料)
私の大学では出願の締め切りが10月末にあり、その1週間後に1次試験がありました。
英語圏への留学を希望する場合は11月1日に1次試験が、英語圏以外への留学を希望する場合は11月2日に1次試験が行われます。
その後1次試験での合格者が発表され、合格者は2次試験に進むことができます。
そしてその2次試験まで突破することで、晴れて交換留学生として認められるのです。
選抜試験の際に提出するもの一覧
交換留学の選抜試験を受けるためには、まず出願をする必要があります。
出願の締め切り(10月頃が多いです)までに提出物を必ずそろえておいてください。
提出が必要なものについて、ひとつずつ説明していきます。
<選抜試験のときに提出するもの一覧>
・成績証明書・英語試験の点数
・志願者評価書
・願書
成績証明書
まず交換留学生として選抜されるためには、留学先の海外大学が定める基準以上の授業成績(GPA)を修める必要があります。
「3.0以上のGPA」を求める大学が多い印象ですが、さらに高い授業成績を求めてくる大学も中にはあります。
たとえば3年前、私の大学ではフィリピン大学(フィリピンの国立大学)への交換留学へ応募するために「3.5以上のGPA」を修めている必要がありました。*
*現在は不明

「大学入学後に授業で気を抜いてしまったためGPAが足りず、交換留学の選抜試験に申し込めない……」ということもあるので、注意が必要です。
大学受験が終わってゆっくりしたいと思うかもしれませんが、入学直後もなるべく気を抜かず、GPAは3.0以上を維持してください。
「交換留学の選抜試験に合格するまでは、難しい授業を受講せずに高い成績を保つ」というのも1つの手です。
実際に私は「良い成績を取れないと思われる授業」は、GPAを維持するために、留学後に受講することにしていました。
英語試験の点数
交換留学生として選ばれるためには、留学先の海外大学が求める基準以上の「英語試験の点数」を獲得することが必須です。
英語試験の種類としては、TOEFL iBT試験やIELTS試験があります。
大学によってはTOEFL ITP試験の点数を提出できることもあります。
「3つの試験って何が違うの?」という疑問を持つ方のために、それぞれの特徴をまとめました。

違いとして「TOEFL試験はアメリカ英語、IELTS試験はイギリス英語が多い」ということがあります。
問題形式も、コンピューター形式から筆記試験形式までかなり異なります。
TOEFL ITPの点数を「英語力の証明」と使用できる場合は限られています。
ですが、他の2つの試験に比べて「受験料が安い」「スピーキング・ライティングがないためTOEFL iBT試験よりも易しい」という特徴があります。
具体的に必要な英語試験の点数は、IELTS試験で6.0, TOEIC iBT試験で79以上であることが多いです(TOEIC LR試験に換算すると約900点レベルの英語力だと言えます)。
どの時期に何の参考書を使えばいいのかを紹介する学習スケジュールを「800万円節約して1年間欧米留学するための学習スケジュール」の記事で、TOEFL iBTの学習法を「TOEFL iBT試験学習法」の記事(随時更新)で紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
志願者評価書
そして3つめに必要になるのが、志願者評価書です。
志願者評価書とは「教授からの推薦状」のことです。
選抜試験に応募するために、セミナーの担当教授に「この学生はこういう長所があります」という紹介と推薦をしてもらう必要があるのです。
それを志願者評価書という書類で提出します。
手順として、事前に志望動機などをまとめた紙を担当の教授に提出します。そして評価書を書いてくれるよう依頼してください。
その後先生から志願者評価書をいただき、願書・成績証明書・英語試験の点数と一緒に提出することになります。

教授があなたを評価する際は「人柄」「積極性」なども評価対象となります。
そのため「授業内での態度に気を付ける」「教授と仲良くなっておく」ことも肝心になるかもしれません。
(おまけ)筆者のエピソード
私はたまたまセミナーの学習をしっかり行い、教授ともよく話をすることができていたため、志願者評価書についてそれほど心配はしていませんでした。
「セミナーで手を抜いていたら志願者評価書でいいものを書いていただけてなかったかもしれない……」と思うと恐ろしいです。
これから留学を目指す方は「提出物で良いものを出せるようにする」「周りの学生と協調性や主体性を持って接する」など、担当の教授に評価されるような行動を取ってください。
願書
最後に、選抜試験に応募するために何よりも重要なのが願書です。
願書には志望動機を書く欄があります。
志望動機として「あなたがなぜその海外大学に留学したいのか」という理由を、説得力を持って書かなくてはいけません。

この志望動機の執筆に悩んでしまう方は多いです。
実際に私も、ライティングセンターなどの学内で書類の添削をしていただける施設を利用しながら、志望動機を何度も書き直しました。
その入念な準備が合格の決め手になったと確信しています。
1次試験の対策方法
私の大学では、交換留学の選抜試験の1次試験は「英語の聞き取りテスト」でした。
テストでは先生がある文章を読み上げます。志願者はその文章を聞いて内容をノートに取ります。
最後にそのノートを提出し、それを元に審査員の方が1次試験の合格者を決めます。
テストではおそらく「リスニング能力だけでなく、いかに英語の論理構成を押さえてノートを取ることができるか」ということも見られています。
論理構成というのは「結論 → 理由・根拠 → 具体例 → 再論 」の流れです。
英語の文章ではまず、筆者の結論がなされ、その後その主張をする理由や主張が正しい根拠がきます。さらに具体例によって主張や理由・根拠が説明され、最後に再び結論がきて完結します。
読まれる英文を聞いてその「論理構成」を理解しノートを取ることができるよう、練習をしておきましょう。
対策として、TOEFL iBT試験のリスニングパートなどを使い、ノートテイキングの練習を行うことが有効です。
具体的な対策方法
『iBT対応TOEFLテスト完全攻略リスニング』という参考書にノートテイキングの方法が詳しく書かれています。
その参考書を使って練習をすることがオススメです。

1次試験では初めて聞く文章を理解し、ノートを取ることが求められます。失敗は許されない一発勝負です。
そのため「海外の中学校の授業を体験できる」趣旨の参考書を使用し、初めて聞く文章でも論理構成を理解できるよう練習をしていました。

現在販売されている中では『アメリカの中学教科書で英語を学ぶ』という参考書がよいでしょう。
2次試験(面接)の対策方法
ここでは2次試験の面接対策について、みなさんにアドバイスしたいと思います。

大学によっても異なると思いますが、私の大学では、志望動機などについて日本語と英語で質問される面接が行われました。
面接対策が必要な方はぜひ参考にしてください。
面接では「なぜその大学に行きたいのか」「将来は何をしたいか」「海外経験はあるか」などが質問されました。
「あなたは大学の代表である交換留学生として派遣されるに値する人物か」が面接で判断されると思ってください。
本番は緊張しているため、予想外の質問をされた場合うまく答えられない可能性があります。
それを防ぐため、聞かれる質問を予想しておくことを強くオススメします。
面接後に「もっと答えを考えておけば……」と悔しい思いをしてほしくありません。
以下私が実際に聞かれた質問と、その場で答えたことをまとめました。
*私は留学先の海外大学では心理学を専攻していました。
<面接でされた質問とその回答>
Q. なぜその大学に行きたいか
A. 心理学、特に精神病について学びたいと思っている。留学を希望している大学にはAbnormal Psychologyという精神病について学べる授業がある。Q. 留学先大学がある地域では何を学べると考えられるか(なぜその地域でなければいけないのか)
留学先大学がある地域は、天候などの関係からうつ病患者が多いと言われている。その地域で実際暮らすことでより深くうつ病について学ぶことができる。
さらに、大学からバスで2時間程の場所でうつ病についてのセミナーが行われているため、それに参加することもできる。Q. 将来は何をしたいのか(その留学が将来にどう活かせるか)
特に日本で働く外国人の方を対象に「英語が話せる心理カウンセラー」を目指すことも視野に入れている。Q. 海外経験はあるか
フィリピンに2ヶ月ほど滞在した経験がある。そのため、異国での生活に適応していると考えられる。
自己アピールとして「1,000時間以上TOEFL対策の学習を行った。そのため留学先でも努力をし続けることができる」ということも話しました。
それを言った瞬間、目の前に座っていた面接官の先生がニヤリと笑って私を見たことをよく覚えています。
「あなたを交換留学生として派遣する価値がある」と大学に思ってもらえるかどうかが、面接を突破するためのカギとなるのです。
交換留学の選抜試験に合格したい方へ
選抜試験に合格し交換留学生として選ばれることは、簡単なことではありません。
締め切りまでに必要書類をそろえて提出し、1次試験の英語試験、そして2次試験の面接を突破する必要があります。
同じ海外大学への留学を目指すライバルが、帰国子女になることもあります。
「こんなにがんばって英語試験の点数もGPAも獲得したのに、それでも合格するのかわからないのか……」と落ち込んだり、不安になってしまう方もいるでしょう。
私自身がそうでした。
しかしそれに合格するほどの意欲や目的があるからこそ、留学先大学の厳しい授業や生活を乗り切ることができるのです。
交換留学の選抜試験で試されることは必ずあなたの力になります。

この記事を参考にして、選抜試験を突破しましょう!
今までの努力が報われるよう願っています。
(次の記事) TOEFL iBT試験の勉強はまず単語から始めよう
(目次へ戻る) 交換留学に行くための方法まとめ
